「にゃぁにゃぁ」夕方、なまえが帰ってくるのを待っていたらなまえが子猫を拾って帰ってきていた。「…それなんだよ。戻してこいよ。この家に猫なんて飼ってる余裕はないぞ」
ちょっと冷たいだろうが、突き放す。
俺もあの戦争の後意識が戻れないところまで行って1年間眠り続けた。それで目覚めてからずっと好きだったなまえと付き合っているのだが、俺は医者になるために勉強中で、仕事はしていない。
だからお金がないのだ。子猫には可哀想だがこの家で猫を飼ってる余裕なんてないんだ。「この子、カラスに襲われそうになって怯えていたの。だから助けたんだけど…。なまえの腕の中でにゃあ♪と可愛い声を出しながら子猫たちが甘えていた。…なまえの腕に猫たちがしっぽを絡める。
(あいつら、何しやがる…!距離が近いぞ)俺はなまえに問いかけた。「なぁ、こいつらオスか?」「えっと…。オスだよ」「オス!?ますます許せない。俺の目の前でなまえに甘えてしっぽを絡めるなんて許せるか…!」「もう…。子猫に嫉妬するなんてカミーユったら面白いね」
クスクスと笑うなまえにドキドキする。笑った顔は日だまりのようだ。「それで、この子たち飼っていい?」「…あーもう好きにしろ!ただオスだからあまり甘やかすのはやめてくれよ。妬いちゃうから」
なまえが日だまりのような笑顔を向けてくるものだからつい了承してしまった。
あーこれからどうするんだろう。お金とか。それと、こいつらはオスだ。いくら子猫とはいえ男なんだからあまりなまえに甘えていたら止めなければ…。「にゃぁ~♥️」
子猫たちはなまえの服の中に入り込んで胸元から顔を出した。「おい!俺だってまだしてないことをするな!それにお前ら男だろ!?」
俺は胸元から子猫を取り上げ抱き上げた。「よしよし。いい子だね。同じ男だからなまえにあまり近づくなよ」「にゃぁ♪」子猫を撫でていると、子猫たちが返事するように鳴いた。「にゃぁって返事したけど、こいつら分かってるのかな…」「にゃ!」分かってるよと言ってるような感じで鳴く子猫たち。可愛いけど…。いや、どんなに可愛くても男は男だ。しかも俺とは恋のライバルのようだから厳しく接する。「あはは。同類と仲良くしてる」なまえがまた日だまりのような笑顔で笑う。俺はこの笑顔にすこぶる弱い。「同類とは何だ!俺は猫じゃないよ」「前から思ってたけどカミーユって猫みたいだもん。私への甘え方とか猫そっくりだよ」「猫になんて似てないよ」「いや、そっくりだよ。この子猫ちゃんたちもオスだし、カミーユにそっくりだから拾ってきちゃった」「似ていないよ」「そっくりだよ。この子猫ちゃんたち私を見るなりすぐに懐いて甘えてきたんだもん。それにオスみたいだし」「そうか…。確かに俺もなまえのことが大好きだからな。こいつら俺の猫版かもな」「でしょ!やっぱりカミーユは猫なんだよ」「俺が猫か…。」なまえに猫みたいと思われていたことは想定外だった。…最初はこの子猫たちが鬱陶しかったけど、なまえが俺に似てると思って拾ってきたなら愛おしく思えてきた。「にゃぁ?」子猫たちが俺を見て鳴く。ひとまず戦争が終わり平和になった世の中。またMSで戦う世の中が来るかもしれないけど、俺はこの大切な人と子猫たちを守っていきたい。